2021/10/27 粋な車内放送
2023/12/13
僕は、大学を受験するために昨日から東京に来ていた。 一人で初めて泊まるホテル。しかも東京。 少し大人になった気分でウキウキしたが、浮かれている暇はない。 ラストスパート。明日の移動の最終チェック。質の高い睡眠。 「この日の為に今日まで頑張ってきたんだ。支えてくれた家族にも 恩返しがしたい。絶対合格するぞ!」 翌朝、目覚めると共に、こんな想いが頭に浮かび、自然と気合が入る。 予定より早くチェックアウトして、ホテルの最寄り駅まで歩く。 生まれてこの方、都会には縁のない生活をしていたので、 大きな駅で人の波に押しつぶされそうになり迷子になる…。 そして、どの電車に乗っていいのか分からなくなり不安になる。 駅員さんに聞いてなんとか渋谷駅に向かう電車に乗る。 電車の中でも人人人… 受験の緊張と慣れない人混みで、気が滅入る。 渋谷駅に着いても、きっと迷うだろう。 十分早く出たつもりだが、もう少し早い電車の方が良かったか? そんな不安がまた僕を襲う。 ・・・ 電車が渋谷駅に着こうとしたその時、車内アナウンスが聞こえた。 「「間もなくこの列車は渋谷駅に到着します」」 (いよいよだ。ついにこの日が来た。) (おっとその前に、駅から大学まで無事歩いてたどり着けるのだろうか…) 絶え間なく押し寄せる不安… (こんな気持ちのまま受験しても上手くいかないかもなぁ~) まだ受験会場に着いてもいないのに、僕は弱気になった。 そして、不安と緊張に今にも押しつぶされそうだ。 「「渋谷~、渋谷です。青山学院大学を受験される皆様、 お出口は12番出口です。」」 なぜそんな車内アナウンスが流れたのか一瞬驚いたが、 僕たち受験生の緊張や不安を見透かしたような、 車掌さんの粋な計らいに少し気持ちが和らいだ。 そして、そのアナウンスはこう続いた。 「「春にまた皆様とお会いできることを楽しみにしています。 お気をつけて、行ってらっしゃいませ。」」 このアナウンスを聞いて、なぜか凄く勇気が湧いた。 心強さなのか、安心感なのか、どう表現していいか分からないが、 今までのマイナスな感情は確実にプラスの感情へと変わった。 車内のスピーカーから聞こえた、このたった一言で僕は 「絶対合格する!」という強い気持ちを取り戻すことができた。 青山学院大学に通いだして、4年が経とうとする今も、 あの日の車掌さんの心遣いや、 あの一言による自分の感情の変化は鮮明に憶えている。 ================================== ◆あなたの活動に変換する質問◆ ・相手の感情に寄り添うことはできていますか? ・相手を感情をプラスへ導く言葉がけはできていますか? ==================================